債務整理・過払い請求・借金返済相談の大日司法書士事務所|京都・滋賀・奈良・福井

調停後の過払い請求

簡易裁判所でご自身で特定調停をして、債務がゼロになった方も過払い請求ができる可能性があります。 

まず、調停調書にどのような文言が記載されてるか確認が必要で、「債務なし」「債務を免除する」との内容であれば、債権(過払い金について)は何も確認していないので過払い請求可能と考えます。

一方、請求できる過払い金があるにもかかわらず、「残債務がある」「債権債務は存在しない」と記載されている場合は、過払い金も含め確認していることとなるため、過払い請求は少し複雑になります。
 この場合、通常の過払い金返還請求訴訟を提起します。もし相手方が調停の既判力を争ってきた場合、原告(借主)側が抗弁として、要素の錯誤による錯誤無効の主張が必要になります。これは、利息制限法に基づく制限利率による引き直し計算をすれば、借金が完済されており、しかも、過払い金が生じていることを認識せずに借金(債務)の減額や債権債務なしで特定調停に応じた点に錯誤があると主張するものです。(この場合の債権とは過払い金請求権を指します。)

調停17条決定は債務名義になり、執行力はありますが、既判力について制限的に解する見解も存在し、争う余地はあると考えます。